時間旅行楽団の活動記録です
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2007年7月14日〜三宅島公演ドキュメント
また間が空いてしまいました・・・
久方ぶりの投稿、広報&マネジメントの津坂です。

先日、アルゴリズミック・パフォーマンスをはじめとするルールベースド・アートを実践するグループの集まりであり、私たちも参加している手順派が三宅島にて公演を行いました。
が、着いてそうそう台風4号に追いかけられるハメに・・・
本土からの船が2日欠航となり、まさに孤島。島流し。
そのときのドキュメントをメンバーのコメントも混ぜつつご紹介したいと思います。
(楽団以外の作品については、あくまで主観的な視点に基づいて記しています&リアルタイムにアップロードしていた文章を構成したり付け足しているので、ブツ切り&ですだ調が混在していることをお許しください)

まずイベントの詳細から。

第23回<東京の夏>音楽祭2007参加公演
"手順派"合同祭『極東の架空の島の唄』in三宅島
TEJUN-HA Festival "Songs of Imaginary Far East Islands"

「本土から海で隔てられた太平洋の島々では独自の文化が形成されていった。しかしそこには信仰や芸能と向き合う離島の人々の共通する思考があった・・という夢をみた。」

自らの作曲を架空の民族芸能として発表することで知られる作曲家・三輪眞弘の上記コンセプトをもとに、関東・東海で活動するパフォーマンスグループ、方法マシン、時間旅行楽団、teamSZKと三輪眞弘が実際の島で「架空の島民」としての公演を行います。場所は三宅島の野外を含む施設。それぞれのグループは現在のレパートリーも含め島の歴史や文化、産業などを意識した新作初演を含む公演を行います。観客は島巡りをしながら公演を順にみていく、というまったく新しい音楽コンサートのあり方を提示します。

<楽団プログラムノート>

「コドモカグラ」

夏のある日
日差しの強い午後
君の家のポストが
ことん と音をたてる
白い封筒には1枚の白い紙
走り去る小さな影

「みやけこどもしんぶん だい389ごう

みなさん、お元気ですか、こどもしんぶんです
ことしももうすぐナツヤスミですね
たのしみですね

さて
ことしも「火のカミサマのおまつり」の日がちかづいてきました

ばしょは、おしゃくじんじゃのうらの
ひみつきちです
いつものように、オトナにはきづかれないように
そうっとそうっと、あつまってください

おまつりのすすめかたは、いつもとおなじです

いちばん いしうら
にばん  おやまかぐら
さんばん うみかぐら
よんばん かみおくり

7がつ14にち のゆうがた 6じすぎ からはじめます
おくれないこと」

まずは初日。

<初日>
夜10時。東京・横浜・名古屋から続々手順派メンバーが集まる。
新人さんなど知らない人も少しいて、みんなちょっと緊張気味。
前日から近づいている台風がちょっと心配。
(この時点では帰れなくなるとは思ってなかった)

10時30分、竹島桟橋から三宅島に向けて、船出港。レインボーブリッジの下を通ったり(くぐったり)、お台場の未開発地域を横目に見ながら船が進む。
写真はこちら

船の中はとっても乾燥してて、飲み物がないとノドをやられる。
しかも場所によっては冷房が直接あたってすごく寒かったらしい。
リクライニングシートだけど、夜行バスみたいな感じでなかなか眠れない。
まあ、いびきが人力マルチチャンネルで聞こえてこないだけまだマシかもしれない・・・

そして朝5時、三宅島着。
雨雨雨。それぞれホテルからの迎えの車に乗り込み、ホテルで仮眠後朝食のハズが、船が遅れて仮眠できず。辛い。

ホテル海楽の朝食はその日取れた魚を焼き魚にして出してくれる。
カルシウム・タンパク質系の食事が多くて、ビタミン不足が心配。(やがてその後このことがメンバーのひとりに悲劇を生むことに)

朝食後、レンタカーでそれぞれ作品で使う素材を探しに行ったり会場に直行したり。
雨風がひどく、大久保浜でメンバーが持ってきた傘が折れてしまった。
雨でも火山ガスの濃度が高い高濃度地域と呼ばれるところに来ると、車の中でも硫黄の匂いがして目がしぱしぱする上にちょっと息苦しい。
ここで降る雨はガスが溶け出して酸性雨になるそう。木々が白く枯れてしまっているのも、そのせい。
ガス警報が何回も何回も。
酸性雨で肌が少しピリピリする。天然ピーリング。

夕方、全チームが合流し、ゲネプロ。
この時点では雨は小雨だったので、本来上演する予定の場所でゲネプロ。
風の向きによって雨が降り込んできたりこなかったりと自然に左右される公演となった。
楽団は、
・計算結果によって異なるカリンバの音の数を聞き取り、その音の数だけ石を円形に並べる
・計算結果が音に割り振られていて、計算をしつつ鍵盤ハーモニカで演奏をする
・計算結果が音に割り振られていて、計算をしつつハンドベルを鳴らす
という作品を、
方法マシンさんは、三宅島の映像を観ながらその映像情報を声に出す合唱作品を、TeamSZKさんは子どもたちと三宅島の火山ガスで枯れてしまった木を使って楽器を作るというワークショップ。
三輪眞弘さんは中国古代の弾奏弦楽器のひとつである箜篌を用いた作品を箜篌演奏家の西陽子さんとともに発表。正倉院で見つかり復元されたこの楽器は、東洋ハープと言ってもいいようなフォルムを持ち、音は弾き方が似ているお琴以上に透明度が高く、低音がしっかり出ている印象があった。

そして次の日の天気を気にしながら、就寝。


<本番日>
早朝5時から眠い目をこすりつつ方法マシンのまたりさま。
(またりさまとは「すず」と「かけ」という2つの状態をXOR演算という方法によって計算された結果にスズとカスタネットの音が割り振られている、三輪眞弘さん作曲の音楽作品です。詳しくはこちら)

御祭神社という木々にたくさん囲まれた道を通った先にある神社の境内にて。
雨が降ってきて木々が濡れ、とても幻想的で神秘的な雰囲気。
まさに雨に打たれての「修行」。
夢の如し。

夢から覚めないまま、TeamSZKのワークショップ発表へ。
子どもたちが三宅島の枯れた白い木をくり抜いて、スリットドラムのようにしたものをあるゲーム性のあるルールに基づいて叩いていくというもの。
さすがプロの打楽器集団だけあって、すごいドラミングで会場を湧かす。

そして楽団の本番。
今回の楽団の作品は「子どもが大人に秘密でやってるお祭り」をメンバー共通のビジュアルイメージとして据えるところから始まりました。
これは後に指摘されたことですが、「大人に秘密」というコト自体がとんでもない深い意味を実は持っていて、そのエッセンスが作品の中にあったのではないかと。
今思えば、漫画の「こどものおもちゃ」や「20世紀少年」のモチーフにやや近いのかな?とふと思ったりもしました(この2つよりはポジティブで明るいですが)。

そして方法マシンの音楽映画。
これは三宅島の映像をプロジェクションして、そこに映っている映像情報を読み上げるという合唱作品です。
たくさんありすぎる映像情報の中で、何を抽出して声に出すかということが、三宅島に対する方法マシンの視点であるとも言えるかもしれません。
後に三宅島を一周したときに音楽映画の追体験ができるという面白さがありました。


<いちおう帰ることになっていた日>
3日目。
本来はこの日に帰ることができるハズだった。
が。

帰 れ な い

ホテルのロビーには、「本日の三宅島行きの船は欠航となります」の文字が。
折り返し運行なので、前日に東京から三宅島への船が出なければ、当日こちらから東京に戻ることができないのです。
外はすごい波と風と雨。まさに台風。
外 に も 出 ら れ な い

そしてやったことと言えば、「またりさま」修行の会。
手順派であればまたりさま習得は当然とのお達しで、チーム全員でまたりさま修行。
楽団作品とは異なり、計算よりも鈴かカスタネットのどちらを鳴らすかという瞬間判断とそれを出力するための反射神経が必要とされるため、使う頭の回路も違うような気もする。

そして夜。
メンバーのひとりに悲劇が起こる。
どうも朝から舌がしびれておかしいなと思っていたら、夕食時に物をかむ力が弱まっているのを感じたらしい。
化粧室で鏡に写して舌を見たら、舌の側面の形が微妙に変わってぶつぶつがいっぱいできてる!
何かの病気か?とネットで調べると、該当すると思われる項目に「ビタミン不足」。
いつも果物やキレートレモンで多くのビタミンを摂取する身体になっているせいか、それを取らなかったために身体が変調をきたしたらしい。
それを裏付けるように、フルーツジュースを買って飲んだら次の日にほぼ治っていたそう。
野菜もきちんと取っていたのにも関わらず、果物をたった数日取らなかっただけでこんなに身体に変化が出るとは驚き。


<延長2日目に突入>
そして4日目。
ま だ 帰 れ な い
前日の東京から三宅島へ行く船の欠航が決定して、今日も篭城。
長期戦を覚悟して、みんなで近くの商店に買い出しに行くことに。
そこで商店のおじさんからハイビスカスをもらう。
ハイビスカスはその日の夕方までしか持たない南国の花。
せっかくなのでキャスケット(帽子)に挿してみた。
かんざしみたいで素敵。

4日目はフリータイム。幸いにも少し晴れている。
だけどどうしても帰らなきゃいけないメンバーがいて、この日ヘリ経由でなら東京に帰ることができて、そのヘリの残席があとひとつなことが判明!
みんなで彼女を見送りにいく。

その後、三宅島を一周しようということで、レンタカーを借りていざ出発。
鍵盤ハーモニカを持っていって、車内でみんなで歌う。
久しぶりにそういうとてもとても穏やかな時間に自分たちの身を置くことができて、本当に嬉しい。
そして夜は三宅島のおいしい芋焼酎を片手に、たくさんの星の下、みんなで作曲について熱く語り合う。

デジャヴのような、ノスタルジアのような、どこかに忘れてきたような穏やかな時間・・・
島でなおかつ船が欠航して閉鎖的な状態、何もしなくてもいい日々、気心知れた仲間で過ごす楽しい時間は夢の如く。
アカコッコ館という三宅島に生息している鳥さんを保護している施設で買ったかわいい鳥さんのストラップが現実だったと思わせてくれるんだけど、でも本当に夏の夢のようで、未だに実感がない。
(今回メンバーのほとんどが、まさに夏の夜の夢の如しという感想を残しています)
それだけ普段何かに縛られたり、何かに追われたり、何かを諦めたりする生活をしているということなのかもしれません。

三宅島は傷ついている場所のように思える。
いや、傷ついたことで優しさを知った場所のような気がする。
人は傷ついたぶんだけ他者に優しくなれると言うけど、自然もそうなのかもしれない。
人と自然、自然と人工物が優しく寄り添い共存している姿は、普段何かにいつも追われて過ごしているような私たちに、違った視点をくれる。


<そして、ようやく帰ることができました>
三宅島から東京に戻って、東京の汚さにげんなりしました。
長い間三宅島に滞在していろいろと回るうち、災害が何度となく繰り返されたにも関わらず、自然と人や自然と人工物が寄り添い共存している姿を何度も目にしました。
その後雑然としてゴミや汚れがそこかしこな東京に戻ってきたとき、なぜかとても悲しい気分になってしまいました。
そして、あからさまに空気が汚れている・・・

公演自体は天気待ちや天候不順で会場を変えなくてはいけない問題点が発生した以外は滞りなく進み、楽団の発表もメンバーで作品のビジュアルイメージを共有し合い作品を制作していくという方法を確立したことにより、独自の位置を獲得できた公演でもありました。
撮影隊もとても気を使ってくれて、彼らが同行してくれたことは本当にしあわせでした。
近々、東京と名古屋で今回の夏の夢の日々のドキュメンタリー上映を行いますので、ぜひぜひお楽しみに!


日常はどんどん迫ってくる。
何のために自分たちが狂おしいほどの熱情を持って作品を制作しているのか、しなければならないのか。
それを考えさせてくれる旅でもあったのかもしれません。
今回の三宅島で、いろんなポイントで自分たちの力の非力さや小ささをとてもとても痛感せざるを得ませんでした。
でも、それを知ることができたことは幸運だと思います。それを知った上でこれから私たちは何ができるのか、他の人と何を共有して生きていけるのか、それを考えることができるからです。
普段当たり前に存在しているものが存在しなくなったとき、普段摂取しているものを摂取しなくなったとき、普段あるものがなくなったとき、私たちはどう思い、どう感じ、身体はどう反応するのか知ることもできました。

この旅で、優しい気持ちになれたような気がします。
もっともっと人を大事にして、もっと優しい気持ちを持つことができたらと・・・
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by musictimes | 2007-07-22 04:18 | 公演風景